【2021_03】読書メモ(針生悦子『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』)
こんばんは、あさほうきです。
産休・育休中、
このブログを読んだ本のメモ板として使います。
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変更→第2・4火曜の週にゆるっと更新(20210930、早っ)
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さて、今回は針生悦子『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』
◆読もうと思った動機・理由
我が子への働きかけの参考にしたいと思ったため。
◆メモ
- 区別が難しくない音は生後半年頃に聞き分けられる。その後、母語で区別する必要がなければ12か月頃までに聞き分け能力が失われる。
- 区別が難しい音(例: フィリピン語の2つの/ナ/の音(歯茎音と軟口蓋音)は、半年頃でも聞き分けができず、フィリピン語環境で継続して育てられると、12か月頃に聞き分けができるようになる。
- バイリンガル環境(スペイン語とカタルーニャ語)で育つ子どもは、8か月の時にカタルーニャ語の2つの/エ/の音が聞き分けられなくなっていた。生後4ヶ月では聞き分けができていたので、一時的にできなくなった、という研究結果。
(以上、「第2章 まず、聞く」のメモ)
赤ちゃんは、音のつながり方を手がかりにして、単語を自分で見つけていきます。
確かに、単語はいつも同じ音のかたちをしていなければならないのだから、この方法は王道です。
(79ページ)
生後8か月の赤ちゃんも、音のつながり方を手がかりに単語を見つけ出すことができるようになっています。
しかしその一方で、「その言語ならではの音の聞き方」がしっかり身についているかと言えば、まだ完全でもありません。
そのようなわけで、話す人の性別や、話す調子が変わったりすると、同じ音のつながり(単語)だとわからなくなったりします。
(中略)
生後12か月くらいになれば、赤ちゃんは話し手が変わったり、話す調子が変わったりしても、同じ単語は同じ単語として聞くことができるようになります。
(80ページ)
子どもが、話し手の視線や指さしを手がかりに、単語の意味を確実に見つけ出せるようになるのは1歳後半です。
(中略)
しかし結びつけ(*)に成功しても、単語の学習は完成ではありません。
その単語が、そのモノの何を指しているのかがわからなければ、子どもはそのあと自分でその単語をうまく使っていくことができないからです。
(中略)
大人の常識ではここで、単語はそのモノの名前だと考えます。
しかし、子どもはそのような大人の常識をまだ知らないので、一つ一つの単語の意味をめぐって、試行錯誤を繰り広げていくことになります。
(131ページ、*結びつけ=単語とモノとの結びつけ)
母語は、新しい言語について学び、その言語を使っていくときの、道具となり、基礎となるのです。
(中略)
実際に、小学校中学年以降の子どもで調べると、母語の力が高ければ高いほど、新しく身につけた現地の言語の能力も高くなっています。
(182ページ)
◆感想
私自身は、英語学習にコンプレックスがあり、
「我が子には小さいうちから英会話を学ばせたりしたほうがいいのだろうか?」と
迷いもあったが、
ことばの世界に一から挑戦する我が子に無理な負担を強いないよう
毎日のおしゃべりを大切にしたい。